夕方西の空に太陽が沈み、薄暮の時間に起こる青い残
照の瞬間を見たことはありませんか。これは、桿体が
働き始め、青が鮮やかに感じられるようになるからな
のです。
東京の日没は花見の季節に18時、花火は午19時、月
見は17時半、そして、クリスマスは16時半ころにな
り、天候に恵まれればその後10分間程度、青の残照が
訪れます。東京に比べ緯度の高い北欧などではその時
間は2時間以上つづきブルーモメントとよばれ、その
光景は人々の体験を通して記憶とむすびつき、生活の
灯りに白熱灯の暖かい光を利用する慣習をうみました。
日中自然光が差し込み屋外のように明るいエリアのラ
イティングプランを考える場合、自然光の入射が見込
めない時間帯や夜間に、その環境を自然に、より快適
に創造するためには、広い視点にたって人間を理解し
た上での人工光の計画が求められます。
安全性の機能を満足した上で天井に青い光を表現する
ことは、知覚を導く快適な環境をつくり印象的な時間
を提供します。
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